蝶の夢を見る
銀色夏生さんの詩。
少しずつはまってきた。
人生は、人が生きていくことは、身もふたもないことだ。身もふたもないってことをまず基本にしたうえで、私はいろんな夢を見る。
心が、ある時いきなり急にパッと晴れることがある。まわりの状況が変化したわけでもなく、ただその人の心の中で。春になって氷がとけてサラサラ水が流れるようにほどけていく。そんなふうに悩みが気にならなくなることが、人にはある。ある道すじをたどって、ちゃんとどこかへたどりついたから。
どうしようもないクズみたいなやつ、自分の周りにこの部類に入るやつがいた、なんてこともあったけど。
こころは少しずつ、解れて、さらさらと流れゆき、いつの間にか忘れていたということに。
その瞬間に気付いた時に、初めて時の流れに感謝した。
前を向いて歩いていれば、悪いことなんて何一つないんだと。
もうすぐ冬が来る。
今、季節の変わり目を感じることにささやかな嬉しさを感じるのです。
ありがとうと。